社長のEcoコラム

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2. いったい何が環境問題なのか?

戦争は?満員電車は?焚き火をするのは?

前回のコラムでは、今流行りの地球温暖化だけが環境問題ではなく、もっと広く流行りすたりに左右されない環境問題への認識が必要であろうと述べました。

では、そもそも今話題の環境問題とは何なんだろう?人間をとりまく地球にはいろいろな問題があるが、その問題のうち、何が環境問題で何が環境問題でないのであろうか?戦争は?満員電車は?木を切って焚き火をするのは? そんな疑問を抱き、環境問題という言葉の意味を調べてみました。

まずは、インターネットのフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で調べてみると以下のようになっていました。
『環境問題とは、「人類が何らかの活動を行った結果、周囲の環境の変化によって発生した問題の総称」である。』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E5%A2%83%E5%95%8F%E9%A1%8C

なるほど、人が活動して周囲の環境が変化して起こる問題か?すると殺人や戦争では直接人を殺したり負傷させたりするので、これは環境問題からはとりあえず外してよさそうである。しかし、これをそのまま定義とすると、環境問題とは、まだまだ実に広い範囲を含む問題である。

まず、環境問題の原因は、人間の何らかの活動を行ったことで、周囲の環境が変化したことである。しかし、人間が何らかの活動(精神的な活動以外の外部に作用する活動)を行うと、必ずなんらかの周囲の変化を生じさせる。その変化で起こった問題をすべて環境問題というとすると、人間が関わって起きる問題はすべて環境問題ということになる。確かに広く考えてみるとそうかもしれないが、ちょっと広すぎないであろうか?

例えば、今日の通勤電車が満員で大変苦痛だったのも、人間が一度に同じ方向に向かうという活動を行ったことによって、電車の内部という環境が、人間であふれかえって、不快な経験を人々に与えたということで、広く考えると環境問題といえてしまうことになるのではないか?また、例えば、泥棒が他人の家に盗みに入り、たとえば家具を盗んだ。家から家具がなくなるという環境変化によって、その家の人が大変困った。だから泥棒という行為も環境問題と言えてしまえなくもないのではないか?

やはり、これでは感覚と合わない。定義が広すぎるではないか? そこで、私の方では、次のような定義を考えてみました。

『人類の活動の結果、周囲の環境の変化によって発生した問題で、人の健康や生命への被害、地球の生態系の破壊が発生する危険性の大きいもの』

やはり発生した問題が、人間の健康や生命への被害、地球の生態系の破壊に繋がるもの、あるいは繋がる可能性の高いものに限定した方が、我々の感覚には合うのではないでしょうか?

ここで環境問題の結果起こりうる被害として、「人の健康や生命への被害」と「地球の生態系の破壊」という2つに分けました。

数十年前までは、「人の健康や生命への被害」のみが問題として取り上げられてくる傾向が強かったと思います。環境問題という言葉よりも「公害問題」という言葉で言われていた時代です。しかし、近年、環境問題と言うと、人への健康被害のみならず、やはり「地球の生態系の破壊」というものもいれずにはいられなくなったわけです。これは大きな変化です。人間のことばかり考えていては、ダメだということでです。

ですから、動物や植物への被害がかなり大きくて生態系のバランスを崩すくらいの問題となれば、動物や植物の被害であっても「地球の生態系の破壊」と認識され、環境問題と位置づけられます。しかし逆に言うと、例えば、魚をとって食べるとか、家畜を殺して食べてしまうとか、森の木を少し切って焚き火をするというだけで、つまり「動物や植物の健康や生命への被害」というだけ、生態系を壊すほどでないのであれば、現在の感覚では環境問題とまではならないでしょう。このように現状は地球環境問題といっても、まだまだやはり人間を中心とした人間に重きをおいた問題認識になっている思います。しかしあくまで人間から見た環境問題ですから、今の段階では仕方ないかと思います。

次回は、このように定義してみた環境問題には広くどういう問題があるかを調べてみたいと思います。

図1.環境問題の定義とその他の問題の関係

2008年06月30日 松井 宏信


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