社長のEcoコラム

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11.重要な環境問題に対してどんな対策があるか?

前回までのコラムで、最重要な課題として「エネルギー資源、水、食糧の不足」、「放射性物質の利用と廃棄」「急激な温暖化」の問題をとりあげ、それぞれに情報をまとめてみました。

今回は、このそれぞれの重要な環境問題に対する対策を整理しておきたいと思います。

● 重要な環境問題に対する対策とその効果

下記の表に主に考えられる対策を並べてみました。横に3大重要環境問題の各項目をとり、縦に環境問題への考えられる主な対策を並べ、それぞれの対策がどの項目に対してどのような効果があるかをまとめてみたものです。

(記号の説明)
◎ 大変効果がある。  ○ 効果がある。  △ やや効果がある。  × 逆の効果がある。
? どのような効果や影響があるかわからない。  - 影響はほとんどないと思われる。

(評価についての説明)

1.「各エネルギー資源(原子力、石炭、天然ガス、太陽光、風力、水力)の活用の拡大」について、以下の基準で考えました。
「急激な温暖化」に対する効果 石油の代替として使った時に、石油の場合よりCO2の発生が、 多くなってしまうものには「×」、10%~30%程度低くなるものには「○」、5分の1以下に出来るものを「◎」。

 参照:コラム「9.放射性物質の利用と廃棄」中の「原子力発電でどれほどCO2の発生を押さえられるのか?」のグラフ

「エネルギー資源の不足」に対する効果 その資源量が、石油換算で、現在の石油の確認埋蔵量と比較して、 数分の1程度のものには「△」、同程度~3倍程度のものには「○」、5倍以上と考えられるものには「◎」。

 参照:コラム「8.エネルギー資源の不足」中の「あとどのくらいのエネルギー資源が残っているか?」

2.「バイオ燃料」について
バイオ燃料を増やすことによってCO2発生が減るのかあるいは増えるのかいろいろな考え方があるため、「?」としました。
3.「農産物の輸出規制の撤廃」について
農産物輸出国では、国内で食糧不足を引き起こさないために、輸出規制をかけている国があります。これがさらに世界の食糧不足に拍車を掛けています。 この輸出規制を撤廃することは、それによって世界的には食糧不足が緩和される方向に行きますが、一方その輸出規制を撤廃をした農産物輸出国の国内では、食糧不足あるいは高騰を招く可能性が高いため、「○/×」としました。
4.「肉食から菜食への転換」について
牛肉の生産には、大量の穀物が必要であり、ひいては大量の水を使うことになることから、肉食から菜食を増やすことによって、食糧不足や水不足を緩和できるので、水不足と食糧不足に対しての効果を「△~○」としました。
5.「貧困問題の緩和」について
水や食糧やエネルギー資源の不足から来る価格の高騰で一番被害を受け、生命の危機にもさらされるのが、アフリカやアジアを中心とした貧困層の人々です。そういう意味でこの「貧困問題の緩和」を実現できれば、資源不足自体が無くなるわけではないが、資源不足から来る被害をかなり押さえることができると考えられます。その意味で資源不足に対する対策として「△~○」としています。

● 環境問題の対策のまとめ

1.すぐに進めていく対策
重要な環境問題への対策としては、あるひとつの対策に頼らずに、様々な対策を並行してやっていくべきであると思います。
2.被害を防ぐための対策
資源の不足を中心とした地球規模での環境問題のために一番先に大きな被害にあうのは、世界の貧困層の人たちだと思われます。
3.根本的な長期的な対策
環境問題への根本的で対策というのは、次の2つになります。

(1)人口の抑制
(2)一人当たりの消費資源の抑制

逆にいうと、「人口の爆発的な増加」と「一人当たりの資源消費の爆発的な増加」こそが環境問題の本質的な原因だということです。
次回は、世界の豊かさをさらに向上させて貧困の問題を解決しながら、資源不足などの環境問題を解決していくための考え方として、「factor 4」という考えを紹介します。

2009年01月15日 松井 宏信


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