熱風乾燥機とは
樹脂熱風乾燥機は、外気をヒーターで加熱し、その熱風を乾燥ホッパ内に送り込むことで、樹脂中の水分を蒸発・除去する乾燥装置です。
ブロアによって加熱空気を乾燥ホッパに循環させるシンプルな乾燥方式で、外気を直接加熱して使用する構造のため、装置構成が簡素で、導入コストを抑えやすい点が大きな特長です。除湿機構を持たないことから、初期費用・保守費用の両面で比較的安価に導入でき、予備乾燥や標準的な乾燥用途に広く用いられています。
主に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などの吸湿性が低い樹脂材料、または乾燥温度が70~80℃程度の低温域で乾燥が可能なABS樹脂などに適しています。

一方で、吸湿性の高い樹脂材料や、厳密な水分管理が求められる用途では、除湿乾燥機など、より高性能な乾燥方式を選択することで、成形品質のさらなる向上が期待できます。
特長
1. SSR(無接点リレー)採用で安定制御を実現
ヒーター制御回路には、SSR(無接点リレー)を採用しています。物理的な接点を持たない半導体リレーのため、接点摩耗や接触不良が発生しにくく、安定した制御が可能です。これにより、ヒーター制御の信頼性が向上し、メンテナンス頻度の低減と安全性の向上に貢献します。
また、可動部を持たない構造により、従来の接点リレーと比べて長寿命であることも特長です。接点寿命10年以上を想定した設計とすることで、保守負担の軽減と長期間にわたる安定稼働を実現しています。

ちなみに、有接点リレー(メカニカルリレー)とは、電磁石の力を利用し、機械的にスイッチを稼働するリレー方式です。
電動機など比較的大きな設備や機器に導入されています。
2. 安心の乾燥品質を提供する二重式ホッパー
ホッパーの内側と外側の間に空間を設けた二重式ホッパーを採用しています。この構造により、外気温の影響を受けにくく、季節や天候に左右されない安定した乾燥品質を実現します。
その他、二重構造による優れた断熱効果により、ホッパー内部の温度を一定に保ちます。その結果、乾燥効率の向上と均一な乾燥が可能となり、さらに外部への放熱を抑えることで、エネルギーロスの削減にも貢献します。
3. 乾燥・輸送の一体化による、省スペース設計
乾燥工程と樹脂材料の輸送工程を一体化するとともに、装置全体の構造を見直すことで、大幅なコンパクト化を実現しました。乾燥後の樹脂材料をそのまま成形機へ供給できるため、機器間の配管や設置スペースを削減でき、レイアウトの自由度が向上します。
また、機器の集約により、設置作業や配線・配管作業を簡素化できるほか、日常点検の負担軽減にもつながります。限られた工場スペースを有効活用できる設計で、省スペース化と作業効率の向上を両立します。
4. 優れたメンテナンス設計
装置設計を見直すことで、メンテナンス性を大幅に向上させました。扉を開けるだけでフィルター部へアクセスできる構造とし、工具を使わずに日常的なフィルターメンテナンスが行えます。
これにより、点検や清掃にかかる作業時間を短縮できるだけでなく、作業者の負担軽減にもつながります。定期的なフィルターメンテナンスを容易に行えるため、装置の性能を安定して維持しやすく、長期的な安定稼働に貢献します。

