社長のEcoコラム

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3. 環境問題には、いったいどんなものがあるのか?

前回のコラムで、環境問題とは、『人類の活動の結果、周囲の環境の変化によって発生した問題で、それによって直接もしくは間接的に、人への生命や健康への被害、地球の生態系の破壊が発生する危険性の大きいもの』であるとしました。
それでは具体的には、地球上にはどんな環境問題が現在認識されているのでしょうか?できるだけ広く網羅してみると次のようになります。

  1. 過剰な動物の殺傷、植物の伐採
  2. 有害化学物質による空気、水、土壌、その他の汚染
  3. 放射性物質の利用と廃棄
  4. オゾン層破壊による紫外線増加
  5. 急激な温暖化
  6. 温暖化による洪水、干ばつ、台風の増加、海面の上昇
  7. 地盤沈下
  8. 酸性雨
  9. 砂漠化、森林減少
  10. 塩害
  11. エネルギー、水、食物、その他資源の不足
  12. ごみ問題
  13. 電磁波による健康障害
  14. その他の公害問題 (騒音、振動、悪臭、電波障害、光害、日照阻害など)

これらの問題は、すべてある部分は人間の活動の結果発生したもので、しかも人への生命や健康への被害もしくは地球の生態系の破壊に繋がる危険のあるものです。

現在、大きく話題になっている地球温暖化(ここでは急激な温暖化と書いている)も、最近まで議論がありましたが、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会第10回会合(平成19年1月29日〜2月1日)において、「気候システムの温暖化には疑う余地がない。」「20 世紀半ば以降に観測された全球平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高い。」などということで、地球温暖化が人間の活動の結果であることがほぼ確定されました。つまり環境問題の定義の範囲に入るということがほぼ確実になったということです。

ただし、人間の活動によるCO2の増加が気温の上昇の要因の何割くらいを占めるのか?、もしますますの温暖化が引き起こされた場合に、いったいどのような被害がどれくらいの規模で起こりそうなのか?などについては、メディアの報道だけに頼らずに、しっかりと科学的な根拠に基づいて注意深く見ていく必要があると思います。うっかりしていると、北極海の氷が溶けて海面が上がるなどという科学的に明らかに間違いのものまでも信じ込まされてしまう危険があります。

洪水、干ばつ、台風の増加や海面の上昇などは、温暖化が原因で起こっている部分があるということで、これもある部分は人間の活動の結果起こっていると言えるようです。

ごみ問題は、ごみを焼却することによるCO2やその他の有害物質の発生、さらに埋め立てた後の有害物質の流失などの問題があり、環境問題のひとつと捉えられています。

地盤沈下は、人間が地下水をくみ上げることにより起こるものが多くあるので、人間の活動の結果に起こる環境変化ですが、これによって人の生命や健康に害があるかというとそうでもないような気もしますし、地球の生態系に影響を与えるほどでもないような気がします。私の定義からすると環境問題に入れても良いかどうかはぎりぎりのところかと思います。

塩害は、あまり聞きなれないかもしれませんが、いわゆる塩によって起こる害で、その中の一部は、人間が大地に水を撒くことによって、起こります。農業などのために水を撒くことにより、地下に存在していた塩分が地表の方に上ってきて、その後に水分が蒸発することで塩分が析出して地表付近の塩分濃度が上昇します。このことによりその土地に農作物などの植物が育たなくなるという問題です。

光害もあまり聞きなれないですが、人間の活動で夜が明るくなってしまって、動植物の活動や生育に悪影響を与えてしまう場合などがあるようです。ただし、ここまでくると生態系の破壊とまではいかないかもしれませんので、環境問題に入れるべきかどうかは微妙なところだと思います。

このように環境問題は幅広くあるわけですが、それぞれの環境問題を見てみると、それが原因で起こる被害の地域的な範囲、それに巻き込まれる人の規模、またそれが引き起こされた場合に、どのくらいの期間その被害やリスクが続くのか?など、つまり被害の総合的な大きさは全く様々です。このような中で、どれかひとつの問題だけに絞って対策を考えること、あるいは逆に、このような広い問題をひとくくりに同じような重要度で取り扱うこと、このどちらも対策をゆがめてしまい、総合的に有効な結果が出せない可能性があります。

数ある環境問題を何らかの優先順位をつけながら、しかもできるだけすべての要素を両立させるような対策をしていくことが必要です。
そのような対策を考えるために、次回は、これらの環境問題を被害が及ぶ地域的な大きさおよび被害の続く期間という2つの軸で分類をしてみたいと思います。

2008年07月15日 松井 宏信


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