社長のEcoコラム

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4. 環境問題を分類してみる

被害の地域的・時間的な規模で見て

前回のコラムで、「環境問題には、いったいどんなものがあるのか?」とういことについて、幅広く網羅してみました。今回は、これらの問題の被害の規模を「被害がおよぶ地域的な大きさ」と有効な対策を打っったとしてもその後に「被害が続く期間」の2つの軸でプロットしてみたいと思います。

例えば、「騒音」について考えてみましょう。「騒音」の「被害がおよぶ地域的な大きさ」は、基本的に音が聞こえる範囲です。ということでその「被害のおよぶ地域的な大きさ」は、他の問題に比べて小さいと言ってもいいと思います。例えば、数百メートル〜1km程度の範囲でしょうか?また「被害が続く期間」ですが、騒音の音源を止めれば、その瞬間に「騒音」自体の被害はそれで終わります。ということで、対策を打った後は「被害が続く期間」もかなり短いと考えられます。

逆に「急激な温暖化」について考えると、「被害がおよぶ地域的な大きさ」は、全地球規模です。また問題への有効な対策を打ったとしても、その効果が実際にでてくるのは数十年後だと思われます。従って「被害が続く期間」は、数十年あるいは百年近くになってしまう可能性が高いと思われます。

また「放射性物質の利用と廃棄」については、もしそれによって大きく放射能が漏れた場合に、その「被害がおよぶ地域的な大きさ」は、地球全体まではいかないかもしれませんが、ひとつ国の範囲を超えて、つまり国境を越えて問題になるものですので、例えば数千キロメートルと考えられるかと思います。またその場合の被害の続く期間については、放射性物質の半減期が数千万年?数億年(例えば、ウラン235は約7.0億年、プルトニウム239は2400万年)という途方もない長さであることを考えると、被害およびそのリスクは半永久的に続く可能性が高いと考えられます。

このように「被害がおよぶ地域的な大きさ」と「被害が続く期間」でさまざまな環境問題をプロットしたのが、図2の「被害の規模による各環境問題の位置づけ」です。ただし、かなりおおざっぱなプロットであることはご了承ください。

各環境問題の「被害の規模」=「被害がおよぶ地域的な大きさ」×「被害が続く期間」でおおざっぱに表されるとすると、図2のグラフの右上にあるほど被害の規模が大きいというように見ることができます。(あくまでもおおざっぱなプロットです。一桁程度の違いはあると思います。)

このような観点から見ると、やはり現時点では、より長期的な視点に立って、世界的に取り組まなくてはならない問題というのは、以下の4つになりそうです。つまり、「エネルギー資源、水、食糧の不足」「急激な温暖化」「オゾン層破壊」「放射性物質の利用と廃棄」の4つです。

この4つの中で「オゾン層の破壊」については、やるべきことを、世界的に各国が協力して対策が実行に移されていっています。 具体的には、国際的な取組みとして、「オゾン層の保護のためのウィーン条約」(1985年)、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」 (1987年)により、オゾン層破壊物質であるフロン等の生産規制や排出抑制がなされています。

そのほかの3つについては、全世界が足並みを揃えた抜本的な有効な対策はまだまだこれからだと思われます。

そこで、次回は、その3つの問題「エネルギー、水、食糧の不足」「急激な温暖化」「放射性物質の利用と廃棄」についてもう少し整理してみたいと思います。

被害の規模による各環境問題の位置づけ

2008年07月30日 松井 宏信


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