代表のEcoコラム
6. 水資源の不足
2008.09.15
「エネルギー資源、水、食料の不足」「急激な温暖化」「放射性物質の利用と廃棄」
前回のコラムでは、「エネルギー資源、水、食糧の不足」 、「急激な温暖化」 、「放射性物質の利用と廃棄」 を三大重要環境問題として取り上げ、その概要を述べました。
今回は、その中の「水資源の不足」 について書いておきたいと思います。人間の体の中で、新生児では約75パーセント、子どもでは約70パーセント、成人では約60~65パーセントを水が占めているのです。当然我々人間が生きていくためになくてはならないものです。水を一滴も取らなければ、普通は4日~5日で死んでしまいます。それほど大切な水がいまどんどんと不足してきています。かつて、世界銀行副総裁のイスマイル・セラゲルディン氏が「20世紀は石油をめぐる戦争の時代だった。 だが、21世紀は水をめぐる戦争の時代になるだろう 」という言葉を残しているほどです。
ここでは、この水資源の不足について、いくつかのデータを挙げておきます。
● 人間が使える淡水は、地球全体の水の0.78%
一番利用しやすい河川・湖沼等の水は地球全体の水のわずか0.01%!
UNESCOの “WORLD WATER RESOURCES AT THE BEGINNING OF THE 21ST CENTURY”より
● 川から海に流れる水全体の約10%という莫大な水量を人類が利用!
一番利用しやすい河川・湖沼等の水は地球全体の水のわずか0.01%!
UNESCOの”WORLD WATER RESOURCES AT THE BEGINNING OF THE 21ST CENTURY”より
● 人類に必要な水の量は、2000年から2025年まででさらに30%以上増加。
UNESCOの”WORLD WATER RESOURCES AT THE BEGINNING OF THE 21ST CENTURY”より
● 1kgの小麦を生産するのに1,300L、1kgの牛肉を作るのに15,000Lの水が必要。
農産物を生産するのに必要な水の量
Wikipediaより
https://en.wikipedia.org/wiki/Virtual_water
● 2025年までに世界で18億人が深刻な水不足に!
2025年には、世界で18億人の人が深刻な水不足になり、世界人口の2/3に上る人々が水が十分にない状態(水ストレスの高い状態)に置かれると見込まれている。
国連食糧農業機関(FAO)のデータより
https://www.fao.org/nr/water/issues/scarcity.html
いずれにしても、人間が生きていくのに空気の次に必要なのが水ではないのか?
それほど重要な資源が、今世界的に不足しています。人間の生死には一番関わる環境問題と言ってもいいと思います。
次回のコラムでは、「食糧の不足」について取り上げます。
2008年09月15日 松井 宏信