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factor4ファクター フォー

factor4とは?

1995年、エイモリー・B・ロビンスらによって提唱された「Factor4(ファクターフォー)」。
ある一定量の資源から、どれだけの財やサービスを作り出せるかという「資源生産性」を4倍にすることにより、いまの豊かさを2倍にし、資源消費は半分にできるという考え方です。

松井製作所はその考えに共感し、プラスチック成形工場のパートナーとして、「成形工場のfactor4を実現する」という使命を掲げました。機器の開発だけでなく、工場を診断し、お客様にあわせたご提案を行うことで、資源のムダを徹底的になくし、付加価値と生産量を高め、資源生産性を向上させるためのサポートを行っていきます。

私たちの経営理念である「信頼される 応える共に喜ぶ」。そんな関係をお客様と築き、お客様にとっても、この地球にとっても、より良きパートナーとなることをめざして。

マツイは何を目指すのか?

マツイは、「factor4」で提唱されている「豊かさ2倍、資源消費半分」という考えに深く賛同し、我々の主たるお客様である成形工場に関して、次の使命を掲げることにしました。

成形工場の factor4 を実現する

特に成形工場の課題として、「エネルギーのムダ」「樹脂のムダ」「水のムダ」これら3つのムダを無くすために、資源生産性を上げるための機器の開発をはじめ、工場の診断、そして資源生産性向上の提案を徹底的に行っていきたいと思います。つまり、我々の仕事は、乾燥機や金型温度調節機などの機械を作って販売することではなく、成形工場の資源生産性を飛躍的に向上させていくことを我々の主な仕事にしていきたいと思います。このことによって我々の仕事を通して、地球環境とお客様の豊かさを両立することを目指していきます。そして我々の経営理念である「信頼される 応える 共に喜ぶ」関係をお客様と築き、そしてこの地球環境とも築いていきたいと思います。

コラム「成形工場のfactor4を目指して」

factor4(ファクター フォー)とは?

豊かさ2倍、資源消費半分!

「factor4」とは、資源生産性(ある一定量の資源からどれだけの財やサービスを作り出せるか)を4倍にすることにより、豊かさを世界で2倍にし、しかも資源の消費を半分にしようとする考えです。これは、1995年にエイモリー・B・ロビンスらがローマクラブ*1への正式な報告書として提唱した考えです。

ローマクラブによって、「第一次地球革命」(1992年)で、「豊かさを世界で2倍にしなければ、全世界の貧困も世界の政治的緊張も克服できない。」ことが主張されました。一方「成長の限界」(1972年)では、「自然の資源の消費を半分にしなければ、エコロジー的均衡が取り戻せず、人類の生存基盤を長期に渡って確保することはできない。」ことが報告されていました。

これを受けて、エイモリー・B・ロビンスらがまとめた「factor4」という報告書では、次のような主張がされています。

全世界が貧困を克服し、豊かさと地球環境とのバランスを保っていくためには、少なくとも資源生産性を4倍(factor4)にすることが必要である。逆に資源生産性を4倍にできれば、人類が長期に渡って豊かさと環境のバランスを保っていく基盤が得られる。資源生産性を4倍にすることは、多くの分野で、技術的にはすでに可能であり、しかも経済的にも十分な収益をもたらすものである。

そして、報告書の中で、factor4を実現した実際の事例を50取り上げ、factor4がいろいろな分野で実現可能で、経済的にも見合うものであることを説明しています。

注)*1 ローマクラブ(Club of Rome)

資源・人口・軍備拡張・経済・環境破壊などの全地球的な問題対処するために設立された世界各国の科学者・経済人・教育者・各種分野の学識経験者など100人からなる民間のシンクタンク。

我々はどれだけ資源をムダにしているのか?

当たり前のように99%をムダに浪費!

資源生産性を4倍にできるようなことがこれだけあるということは、逆に言うと、我々の資源生産性が現在はそれだけどうしようもなく低いということです。少なくとも資源の75%以上をムダにしてしまっているということです。

本当にそんなに我々は資源をムダに浪費しているのでしょうか?まさかそんなにムダにしていないだろうと思われる方もいるかもしれません。

では、ここで一例を挙げてみたいと思います。

現代の我々の生活を革命的に変えた人類の最先端の乗り物である自動車を取り上げてみましょう。

分かりやすくするために、100リットルのガソリンを使って一人で車を運転したとします。そのガソリンのエネルギーのうち80%(80リットル分)はエンジンが出す熱と排気ガスの熱となってしまいます。つまり、車輪の回転に使っているエネルギーはたかだか20%(20リットル分)です。自動車の全重量のうち、人の体重は約5%です。ですから車輪の回転に使っているエネルギーのうち、95%(19リットル分)は車体自体を動かすために使われます。ということは、本当にドライバー自身の移動のために消費されたガソリンは、20リットル中の5%、つまり1リットルだけなのです。

つまりおおざっぱに言うと、世界の最先端の技術の集約であるはずの自動車でさえ、燃料の100リットルのうち99リットルをムダに浪費しているのです。もし99リットルのムダを96リットル程度のムダに押さえるだけで(これでもものすごい大きなムダですが)、資源生産性4倍は実現できるのです。

とにかく我々はこの例だけでなく、知らないうちに当たり前のように、途方もない資源のムダをしてしまっているようです。

成形工場はそんなに資源をムダにしているのか?

成形工場の暑さこそ資源のムダの象徴!

ほとんどの成形工場では、日々効率を高めるために改善活動が行われ、徹底的にムダを取ることが行われています。そのような成形工場の中にそんなにムダが今でもたくさんあるでしょうか?

例えば、樹脂の射出成形の工程に究極的に絶対必要なエネルギーというのを考えて見ましょう。実は、本当に最低限必要なのは、「常温の樹脂を溶融温度にまで加熱するためのエネルギー」と「溶融した樹脂を金型に注入するためのエネルギー」のみではないでしょうか?それ以外は、本来的には何らかの意味で余分なエネルギーです。ただし、溶融した樹脂を固めるときに出る熱を水などの媒体を通して屋外に出してやるとすると、その水を循環させるためのエネルギーとその水を再度冷却するためのエネルギーは別途必要になります。

しかし、実際は、これらの必要最低限なエネルギーよりもその何倍ものエネルギーが浪費されている場合がほとんどです。

これを象徴するのが、成形工場といえば「暑い、暑くて当たり前」と考えれていることです。成形工場の現場が暑いとするとそれはそれだけのエネルギーがムダに放熱されていることを意味しています。

成形の時に出てくるスプールランナーは、たとえその後リサイクルで使われたとしても、再度溶融するためのエネルギーが余分にかかります。もしリサイクルで使われない場合は、なおさらのムダが発生します。

また冬季などの比較的寒いときでもクーリングタワーから水蒸気が蒸発しているようすをみることがありますが、これもものすごいムダを象徴しています。冬であれば、そんなことをするまでもなく、水は冷却できるのです。またチラーで必要以上に冷たい水を作って、それを使う条件に合わせて加熱して使うようなことが行われているところもあります。

ムダを徹底的に排除することに日々努力されている成形工場のような現場でも、資源生産性という観点から見るとまだまだムダのかたまりなのではないでしょうか?

別な言い方をすると、いままでは工場の効率化といえば、主に労働生産性の向上(いかに少ない人数で生産量をふやすか)を目指していました。しかしこれからは、それだけでなく、いやもしかしたらそれよりも、資源生産性の向上(いかに少ない資源で生産量を増やすか)を目指さなければならない時代が来ているのだと思います。