コラムColumn

成形工場のfactor4を目指して

はじめに

2021.12.23

松井製作所は「成形工場の ‘factor4’ を実現する」事を使命として掲げています。

その昔、と言っても20数年前の事ですが、人口増加や地球の環境問題を踏まえ「人々が今の暮らしを続けていくには、生産性を今の2倍に高め、資源消費を半減させる = 資源生産性を4倍にしてゆく必要がある」という、当時の学者さん達の考えから生まれたのが、この ‘factor4’ というキーワードです。

マツイはこの考えに深く賛同し、主たるお客様である樹脂成形工場で、この ‘factor4’ を実現しようと考えたわけです。

さて、この「成形工場の ‘factor4’」を理解しやすいよう、分数式にして、以下の通り、分母に消費資源、分子には生産量と付加価値を入れてみます。消費資源とは、成形に必要な樹脂原料や水、エネルギーなど、また時間も該当するかと思いますが、生産に必要な資源は減らせませんので、ここでは、気付かぬ間に浪費してしまっている資源が対象となります。

私達はお客様と共に、資源の浪費を減らし、成形品の生産量や付加価値上げていく事で、成形工場の資源生産性4倍を目指す活動に取り組んでいます。

しかし、資源生産性を4倍にだなんて、そんな簡単にできるものなのでしょうか?

「うちだって既に省エネにも生産の効率化にも取り組んでいるよ!」との声が聞こえてきそうですし「消費資源の浪費を抑え、生産量や付加価値を高める」とだけ言われても、何から手をつければ良いのか検討がつきません。

そこで私たちは、成形現場で実際に聞かれる困り事や、問題・課題を層別した12のテーマ毎に内容を掘り下げ、具体的な方法を検討・検証し、効果的な省エネ・省資源、生産性や付加価値を高めるソリューションを、皆様へご紹介・ご提案する事といたしました。

この後のコラムでは、まず、先の ‘factor4‘ の分数式に出てきた3つの大項目「消費資源CUT」「生産量UP」「付加価値UP」について考察し、次に12のテーマに分けてご提案しているソリューションについて、書き進めていきたいと思います。

グローバルソリューション推進部 飯島 泰彦 

参考

環境用語:ファクター4(一般財団法人環境イノベーション情報機構)
→ https://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2796

書籍『ファクター4–豊かさを2倍に、資源消費を半分に』(一般財団法人省エネルギーセンター)
→ https://www.eccj.or.jp/book/factor4.html